
耳を澄ませば、太古の音色――。約7500年前の中国の埋もれ木で作ったウクレレとスピーカーが、文化財保存修復などを手がける「𠮷田生物研究所」(京都市)とメーカーの手で完成した。同研究所の𠮷田秀男代表(64)は「永い眠りから覚めた木が醸し出す音は優しい。太古のロマンを感じる」と話す。

同研究所は中国で出土した壁画など文化財保存修復の技術援助をしており、中国と縁が深い。原木は直径約1.5メートル、長さは約20メートル。四川省成都市郊外の川砂利の採取現場で、10メートルほど掘った所から倒れた状態で見つかったという。5年前、製材したものを持ち帰った。埋もれ木は現地で家具などに使われ、文化財ではないが、日本で木片の放射性炭素の年代測定をしたところ、約7500年前のものと分かった。クスノキ科という。
吉田代表は「埋もれ木を音が出るものに加工したら面白いのでは」と考えた。ウクレレ音楽が好きなこともあり、占部弦楽器製作所(京都市)に製作を依頼。スピーカーも音響機器メーカーのタイムドメイン(奈良県生駒市)に頼んだ。両社によると、ウクレレは「今まで聴いたことがない甘い音色」、円筒状のスピーカーは「自然な感じの音が出る」という。吉田代表は「できればギターや三味線なども作り、いにしえの音色を楽しむ演奏会ができれば」と話す。
吉田代表は「埋もれ木を音が出るものに加工したら面白いのでは」と考えた。ウクレレ音楽が好きなこともあり、占部弦楽器製作所(京都市)に製作を依頼。スピーカーも音響機器メーカーのタイムドメイン(奈良県生駒市)に頼んだ。両社によると、ウクレレは「今まで聴いたことがない甘い音色」、円筒状のスピーカーは「自然な感じの音が出る」という。吉田代表は「できればギターや三味線なども作り、いにしえの音色を楽しむ演奏会ができれば」と話す。
約7500年前の埋もれ木からつくったウクレレと円筒状のスピーカー(両脇)。
手前は埋もれ木の原木=京都市山科区で
手前は埋もれ木の原木=京都市山科区で